航空機燃料税を減税へ 政府・与党、コロナ禍受け実施  

(1)「航空機燃料税」って何?

    自民、公明両党は2020年12月10日、2021年度与党税制改正大綱を決定しました。その大綱に航空機燃料税の減税を盛り込みました。

    航空機燃料税は、国内線の航空機やヘリコプターなどの燃料に課される税金。1972年施行の航空機燃料税法に基づいて、航空会社など航空機の所有者・使用者が燃料(ジェット燃料、航空ガソリン)1㎘につき26,000円を国に納めます。国際線は対象外。

    2011年4月から税率が18,000円に引き下げられる軽減措置が採られています。その税収(2020年度予算694億円)は、空港の施設整備や管制業務の費用などに使われています。

(2)経営悪化への税制面での支援措置

    政府・与党は、21年度1年間に限り、現行税率をさらに9,000円にまで大幅に引き下げる案を大綱に盛り込みました。新型コロナウイルスの影響で飛行機の利用機会が大きく減る中、国内航空各社の経営は急激に悪化しており、税制面で支援することが目的です。2020年はコロナの影響で、航空機燃料であるジェット燃料油の需要が大幅に落ち込むと見込まれています。

    航空各社は、ANAホールディングスが20年度1年間で5,100億円、日本航空が2,400億円以上の最終赤字に陥る見通しを示すなど経営が悪化しています。 これを受けて、国土交通省は、国内線を対象に、「航空機燃料税」の軽減措置を拡充する方向で検討を進めてきました。

    税制改正大綱には、「航空機燃料税の税率の特例措置について、令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間の税率を1㎘につき9,000円(現行:18,000円)とする」と明記されています。

    21年度の税制改正大綱は12月21日に閣議決定され、関連法案を年明け後1月18日開催の通常国会に提出され、3月末までの成立を目指すこととなっています。

ハイドランド給油システム
各給油センターから払い出された航空燃料は、航空機直下のハイドラントバルブまで運ばれ、給油会社(ホース、計量器、フィルターなどを搭載した給油車両)により、航空機へ搭載されます。

(出所)成田空港給油施設(株)HPより




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