サービスステーション(SS)の地下には、ガソリン、灯油、軽油を貯蔵するタンクがあります。SSを利用する際、タンクから給油口のノズルを通して給油を行っています。
このタンクは原則として年に1回以上、漏えい等の点検を行うことが義務化されています。しかし、SSでの地下タンク漏えいの事故が年に100件以上発生しています。これに伴い、2010年に公布された消防法では、設置から40年以上経過したSSの地下タンクに対し、2013年1月以降の改修工事が義務化されました。また、設置から50年以上経過したタンクについては漏えいを未然に防止するため、①FRP内面ライニング工事、②電気防食工事、③高精度油面計の設置を義務付けました。
新たな規制に伴い、設置から40年以上となるSSでは改修工事の費用負担が発生していました。全石連による調査では、漏えい対策に概ね下記費用が必要と試算しています。小規模のガソリンスタンドにおいては概ね10KLの地下タンクが 3~4 基設置されているため、10KLの地下タンク4基分の費用負担は約1,500万円になります。概算は下記のとおりです。
①FRP内面ライニング工事 : 700~900 万円程度
②電気防食工事 : 500~800 万円程度
③高精度油面計の設置 : 200~300 万円程度
一方、この費用負担発生を契機に廃業するSSも増えており、地方などではSSの過疎化も社会的な問題となっています。このため、経済産業省では地下タンクの改修費用の3分の2を補助する制度を設けました。