【石油】14、ガソリンの規格を設定する理由

    車の燃料であるガソリンについては、「揮発油等の品質の確保等に関する法律」(以下品確法)とJIS規格で品質が担保されています。ガソリン規格を大別すると、「環境」・「安全」・「健康」に係る項目が「強制規格」で、性能面での項目が「JIS規格」です。下記表の左欄は品確法の規格、右欄はJIS規格になります。

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出所:(社)全国石油協会


    品確法ではなぜこのような規格を設けているのでしょうか。それは石油製品の含有物のうち、既定を超えると健康面や環境面での被害発生が起きることがあるからです。規格のうち、鉛やベンゼンは人体に対する毒性や発がん性があります。硫黄分、MTBE、酸素分は排ガス浄化装置に悪影響を与え、延いては大気汚染の温床ともなります。MTBEは土壌や地下水の汚染にも影響があります。また、エンジンを守るためにも規格の設定が必要です。灯油混入率、メタノール、エタノール、実在ガムは過去にこの基準を超えた粗悪なガソリンが販売され、エンジンの不具合が発生した事例がありました。さらに油種の区別をつけるために色分けもされています。ガソリンスタンドでガソリンや灯油、軽油を誤って購入しないためです。ガソリンがオレンジ系、灯油は無色透明、軽油は淡黄色系となっています。


はい、ここでおさらいクイズです。

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