【全般】3、世界の一次エネルギーの年間消費量はどのくらい?

   世界の一次エネルギーの消費量を把握しておきましょう。
   まずは石油ですが、2019年の世界の消費量*は1日当たり9,827.2万バレルと前年に比べ0.9%増えました。一次エネルギーに占める割合は33.1%と最大ですが、前年に比べると0.2%減っています。
   これだけでは世界の石油消費量はどのくらいの規模なのかよくわかりませんね。そこで熱量に換算してみますと、193.03EJ(exajoules=10の18乗ジュール)に相当します。まだピンとこないので、電力量に換算してみますと、約53兆620億キロワット時(kWh)になります。日本の4人家族の一般家庭の年間使用量が2019年時点でおおよそ5,500kWh**といわれていますので、石油を全部電力に置き換えるとしたら、年間97億世帯分を賄えることになります。因みに日本の石油の年間消費量は7.53EJでしたので、石油を全部電力に使えるとしたら、3億8千万世帯を賄えますね。
   ところで、石油の最大の消費国は米国で1日当たり1,940万バレル(36.99EJ)、中国がこれに次いで同1,405.6万バレル(27.91EJ)です。日量で1千万バレルを超えるのはこれら両国だけです。米国は前年から0.1%消費量を減らしているのに対して、中国は5.1%増えています。

   石炭の世界の消費量は157.86EJです。これは前年比で0.6%の減少となります。一次エネルギーに占める割合も27.0%と前年から0.5%減っており、過去16年間で最低水準です。最大の消費国は中国で81.67EJと前年比2.3%増加しました。

   天然ガスの世界消費量は3兆9,292億立方メートル(141.45EJ)で、前年から2.0%増えました。一次エネルギーに占める割合も24.2%と史上最高となりました。最大の消費国は米国で8,466億立方メートル(30.48EJ)と世界の消費の21.5%を占めています。次にロシア、中国、イランと続きます。

   残りの一次エネルギーは水力、再生可能エネルギー(水力を除く再エネ+バイオ燃料)、原子力ですが、それぞれ6.4%、5.0%、4.3%を占めました。このうち、再生可能エネルギーの年間消費量は28.98EJで、前年から12.2%増えています。最大消費国は中国で6.63EJ。これは前年から14.2%伸びています。次が米国の5.83EJで、前年比5.9%増加しています。欧州勢ではドイツが2.12EJとトップで、次がイギリスの1.08EJです。それぞれ前年から7.5%、9.1%伸びています。日本の消費量は1.10EJとイギリスをわずかに上回っています。前年からは24.1%増えています。これはおおよそ3,056億kWhに当たり、単純計算すると5,560万世帯を賄えますね。
   全体の一次エネルギーの消費量は前年比で1.3%増えましたが、増加分は再エネとガスが全体の4分の3を占めています。

*参照は「BP統計2020」です。2019年のデータが最新です。石油メジャーの一角であるBPが毎年6月に発表しています。
**参照は一般財団法人省エネルギーセンターのデータです。

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