石炭をエネルギーとして使用するなかで、その長所と短所を考えていきましょう。
まずは長所から。第一に、石油や液化天然ガス(LNG)と比べ、コストが安いことが挙げられます。2017年末時点で日本に到着した際の価格(CIF)を比較すると、原油が石炭の約2.5倍、液化天然ガス(LNG)が約1.9倍でした。そのときどきのマーケット動向で価格差は変動しますが、石炭価格は概ね原油やLNG価格を下回るのが一般的です。第二に、石炭の埋蔵量が他の化石燃料よりかなり多いことも特徴です。可採年数は110年と、いずれも50年程度の原油やLNGを大幅に上回っています。
次に短所をみてみましょう。何より大きいのが、発電や製鉄に使用された際、二酸化炭素(CO2）などの地球温暖化ガスを大量に発生させることです。近年、CO2排出抑制の技術が進んでいるとはいえ、依然として発電時にはLNGの2倍程度のCO2を排出すると言われています。また、石油に比べて発熱量が少なかったり、固体のため運搬などに手間やコストがかかることも石炭の短所と言えるでしょう。