【石油】3、OPECとは?

  第二次世界大戦終了直後からは、石油の上流部門(探鉱、開発、生産)と下流部門(精製、販売)をメジャーズと呼ばれる欧米の石油会社が支配していました。米系のエクソン、モービル、テキサコ、スタンダード、ガルフと欧州系のロイヤルダッチシェル、BPの計7社で、セブンシスターズとも呼ばれていました。

  これに対して産油国の利益を守るために、1960年に石油輸出国機構(OPEC)が設立されました。当初の加盟国はイラン、イラク、クウェート、サウジアラビアの中東勢とベネズエラの5カ国でした。1973年までに13カ国がOPECに加盟しました。その後も複数の国が入れ替わっています。1980年代までは、OPECは国際カルテルとして大きな影響力を行使しました。例えば、1973年の第1次、1979年の第2次石油ショックの際には、世界経済を混乱させるような石油価格の引き上げに至りました。このため、主要消費国はOPEC加盟国以外での石油の開発、代替エネルギーや省エネルギーの普及に努めました。1983年にはNYMEXに原油先物取引が上場し、その後、国際石油価格は市場で決まるようになっていきました。そして現在に至るまで、OPECの主な役割は各加盟国に割り当てた生産量の上限を基に生産調整を行うことになりました。現在ではOPEC加盟国とロシアなどの非OPEC主要産油国で構成されるOPECプラスが生産体制を話し合うようになっています。生産調整は需給に大きく関わりますので、原油市場価格にも影響を与えます。記憶に新しいのは、2020年3月、新型コロナウィルスの感染拡大で主要各国が都市封鎖などの措置をとり、経済停滞、石油需要減退の機運が支配的な中で、OPECプラスの協調減産が決裂しました。需給が緩み、原油価格は軟化の一途を辿っていくことになりました。

  OPECの加盟国は2021年2月時点で、先に述べました5か国に加え、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、アンゴラ、ガポン、赤道ギニア、コンゴ共和国の13カ国です。

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