【石油】4、IEAとは?

  IEAとはInternational Energy Agency(国際エネルギー機関)の略称です。1974年11月、第一次石油危機時の石油供給不安を背景に、米国の提唱によりOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)の下部組織として設立されました。IEA設立当初は、OPEC(石油輸出国機構)に対抗する存在でした。ただ、OPECの影響力が世界的に低下しつつある中で、現在は代替エネルギーの開発、省エネルギーの推進、加盟国間の協力強化など、地球環境問題やエネルギーの安定供給強化に向けた途上国の関係性の構築も進めています。

  加盟の条件は、OECD加盟国であることと、備蓄の基準(前年の1日あたりの石油純輸入量の90日分相当)を満たすことです。現在、IEA加盟国は30カ国で、チリがIEA参加申請中です。

  加盟国の活動として、エネルギー安全保障の確保(Energy Security)、経済成長(Economic Development)、環境保護(Environmental Awareness)、世界的なエンゲージメント(Engagement Worldwide)の「4つのE」を目標に掲げ、エネルギー政策全般をカバーしています。また、①石油・ガス供給途絶等の緊急時への準備・対応と市場の分析、②中長期の需給見通し、③エネルギー源多様化、④電力セキュリティ、⑤エネルギー技術・開発協力、⑥省エネルギーの研究・普及、⑦メンバー国のエネルギー政策の相互審査、⑧非メンバー国との協力等に注力しています。

  日本がIEAに加盟する意義と目的として、下記が挙げられます。

①石油供給の大半を輸入に依存しているため、供給途絶の際、IEAの緊急時対応システムにより裨益するところが大きく、エネルギー安全保障上、極めて重要。

②エネルギー政策全般にわたる知見で高い国際的評価を得ているIEAは、知識ベースとして、また、意見交換の場として重要。

③4~5年毎に実施される国別詳細審査(IDR)を通じてIEAが行う政策提言は、日本のエネルギー政策にとって有益。

  2021年3月4日には日本がIDRの対象となり、その審査の結果が公表されました。


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