【ガス】3、LNGはどのようにして生産されるの?

  LNGは、探鉱、採掘した天然ガスを冷却設備で液化して初めて輸送可能な製品となります。

  天然ガスは、ガス田といった天然ガスの埋蔵が確認された場所で地下深くまで井戸を掘って取り出されます。天然ガスの採掘は、陸地とともに海の上でも行われ、パイプの先にドリルの付いた特殊な装置のリグを用いて、岩盤や地層などを砕いて地下のガスが溜まるガス層に向け掘り進めていきます。天然ガスのある場所に到達したら、ケーシングと呼ばれる鉄菅を通して噴き出してくる天然ガスを採取します。

  ただ、採取された天然ガスは、それだけでは使えません。セパレーターといった設備で水や油など不純物を取り除いたうえで、コンデンセートといわれる軽質液状炭化水素や液化石油ガス(LPG)の原料となるプロパン、ブタンガスなどと分離し、LNGの主成分であるメタンに加えエタンの濃度の高い気体だけを抽出する必要があります。抽出したメタンとエタンの濃度が高い気体は、パイプラインで液化設備に集積され、マイナス162度に冷却して液化します。ここで初めてLNGとなります。LNGは一旦、備蓄設備に保存された後、出荷に十分な数量がまとまったらLNG輸送専用船で出荷されます。このように天然ガスは、長い工程を経てLNGとなり供給されます。

  BP統計2020*によると、2019年の世界全てのLNG生産設備による供給量は、約3億6,671トンとなりました。10年前のおよそ2倍にまで増加しています。

*石油メジャーの一角であるBPが毎年6月に発表。2019年が最新版

ではおさらいクイズです。

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