【ガス】4、LNGの需要は増えている

    液化天然ガス(LNG)の需要は増えています。天然ガスから主にメタンを抽出して液化したLNGは、ガソリンや重油といった石油系の燃料に比べ二酸化炭素(CO2)などの地球温暖化ガスの排出量が比較的少ないクリーンなエネルギーとして注目を集めてきました。欧米のように国家間における天然ガスのパイプラインが敷設されていない地域でも、専用船で輸入が可能なことから、パイプラインの敷設が遅れている新興国を中心にLNGの需要が増加しています。

    2019年に世界のLNG基地で輸入されたLNGは、約3億6,700万トン*に達しました。2000年には約1億トン、2010年は2億2,800万トンだったことから、この10年で60%ほど増加しています。特に中国やインドの輸入量の増加が著しくなっています。中国の2019年の輸入量は6,400万トンと2010年の約6倍、インドの同年の輸入量は約2,500万トンと2010年に比べ3倍となりました。この他、ブラジル、アルゼンチンやメキシコなど中南米諸国の輸入も増えています。

    世界的に脱炭素の動きが強まるなか、再生可能エネルギーを中心とした温室効果ガスをほとんど排出しないクリーンなエネルギーの使用が今後一層、増加すると見込まれています。LNGは、これらクリーンなエネルギーが定着するまでの橋渡し役として、需要はしばらく増えるものと見られています。

*輸入量の参照は「BP統計2020」です。2019年のデータが最新です。石油メジャーの一角であるBPが毎年6月に発表しています。

ではおさらいクイズです。

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