【ガス】6、メタンハイドレートって何?

    メタンハイドレートという言葉を耳にすることも多いと思いますが、いったいどのようなものなのでしょうか。メタンハイドレートとは、メタンと水が結合して結晶化した固体です。氷のように冷たい固体ですが、火をつけると燃えることから「燃える氷」とも呼ばれています。通常は水深500mを超える、低温で高圧な環境が保たれている深海の海底に多く存在しています。このメタンハイドレートを加熱するか、もしくは圧力を低下させることでメタンを水と分離させ、メタンを得ることが可能となります。液化天然ガス(LNG)の主成分でもあるメタンは、燃焼時の二酸化炭素(CO2)の含有量が石炭に比べ約50%、重油やガソリンに比べ約30%少ないことから、エネルギー資源として注目されています。

    メタンハイドレートは、日本の周辺海域に大量に存在していることから、日本では実用化に向けた技術開発が進んでいます。ただ、メタンハイドレートは固体であり、原油のように井戸を掘れば容易に得られることはないうえ、深海の底の地層から採掘するなど非常に高い技術を要することから、現時点では経済性の面からも実用化には至っていません。日本政府管轄の日本海洋掘削グループは、地球深部探査船「ちきゅう」を使用して2013年、2017年と愛知・三重県沖の深海海底から世界で初めてメタンハイドレートを採掘し、メタンを取り出すことに成功しました。しかし、メタンハイドレートを長期的に安定して取り出しメタンを分離することが現時点では難しく、日本では現時点で商業利用は実現していません。

ではおさらいクイズです。

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