【再エネ・クリエネ】10、水素ってどのような活用方法があるの?

    水素エネルギーは、ここ十数年で利用用途が拡大しています。それまでは、主として石油精製過程における水素化脱硫や各工業プロセスにおける産業ガスとして利用されるなど、一般には馴染みの薄いエネルギーでした。ただ、2008年に自宅で電気やお湯が作れる定置用燃料電池(エネファーム)が登場したほか、燃料電池自動車(FCV)も実用化されるなど、新たなクリーンエネルギーとして注目を浴びています。

    燃料電池は、水素の利用段階における有望な技術として、電気分解の逆の作用に注目し、燃料である水素と空気中の酸素を電気化学反応させて、電気と熱を発生させるものです。利用段階では、反応物として水しか排出しないためクリーンであり、化学反応から直接エネルギーを取り出すためエネルギーロスも少ない特長があります。さらに、電気と熱を有効利用するため、エネルギー効率を一段と高めることが可能です。たとえば、発電所で100の電気を作った場合でも、実際に利用できるのは35%程度で、65%はロスが生じるといわれています。一方、燃料電池は電気エネルギーとして40%の利用ができることに加え、熱エネルギーも40%利用できるため、ロス率は20%程度にとどまり、エネルギー効率が極めて高い特長があります。

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