【再エネ・クリエネ】12、FITでは太陽光発電がなぜ急増したの?

    2012年7月から導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in tariffs、略称FIT)は、太陽光発電、風力発電(陸上および洋上)、3万kW未満の中小水力発電、地熱発電、バイオマス発電が対象です。この中でも、太陽光発電はほかの電源に比べてその発電量が急増したことは、下記のグラフからも明らかです。

※画像クリックで拡大します。

    それでは、なぜ太陽光発電だけが急増したのでしょうか。その最たる理由として、導入のしやすさが挙げられます。太陽光発電は、基本的に太陽光パネルを設置できる場所があれば、誰でも発電事業を開始することができます。ゴルフ場や工場の跡地など遊休地を利用するケースが多いほか、工場や家屋などの屋根を活用するケースも多く見られます。たとえば風力発電は、継続的な風が必要となるため山間部などが適地とされますが、山間部では発電した電気を送電するための設備に乏しいケースも少なくありません。地熱発電は、潤沢な地熱を得るための場所が国立公園や温泉地域などのため、開発コストが高いことや発電設備を設置するための許可を得るのに制限があります。バイオマス発電も、その燃料資源の調達や発電設備のコストがかかることなどがデメリットとして挙げられます。太陽光発電は、こうした制限が少なく、FITにより安定的な収入を得ることができるため、これまで需要家だった一般企業や家庭などでの導入が急速に進みました。

クイズ >

次へ >
目次に戻る >