【石油】8、日本のセルフSSとは?  

    セルフSSとは給油操作を客自身が行うSSのことです。欧米主要国では比較的早くから普及してきた方式ですが、わが国では長年、安全性の観点から給油を従業員が行なうフルサービス方式以外認められませんでした。

    規制緩和の一環で、1998年4月、危険物の規制に関する政令が改正され、「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所」(セルフ式ガソリンスタンド)が登場し、以後セルフ方式が増えてきました。

    日本ではセルフ方式であっても、欧米のように無人で営業することは認められず、甲種または乙種4類の危険物取扱者の有資格者が常駐し、顧客による給油作業を監視カメラで常時監視し、危険発生時には制御卓からの遠隔操作によるバルブ閉鎖やそのほか必要な措置を取ることが求められています。遠隔監視用の設備などを設置するため初期投資額が高くなるところはありますが、吸殻入れの清掃や窓拭きなどのこれまでの一般的であった付帯サービスを省略し、必要とする従業員と人件費を少なく抑えることが出来るため、フル方式より3~5円程度、安価に販売することが可能となりました。

    一方、従業員による、給油作業がないため、車両点検や洗車サービス等の新たなオプションサービスを積極的に案内するスタンドが増えています。また、店舗によっては料金設定が異なるセルフ給油とフルサービスを選択可能なSSもあります。

    日本独特のセルフ式ガソリンスタンドは、2020年3月末時点で全国に10,320店となりました。一方、給油所総数は29,637店であり、1995年から減少を続けています。

    SS総数は年々減少傾向にあり、2000年3月末の約53,000店と比較すると、4割強以下の約30,000店となっています。これに対し、セルフサービスステーションの増加率は同期間で約400店から約10,320店と、25倍以上の伸びを示しました。SS総数に対する割合(セルフ化率)は34.8%です。給油量ではガソリン販売量全体の7割程度を占めると言われています。

    なお、2020年3月末現在、コンビニ店舗総数は55,710店、郵便局総数(簡易郵便局を含む)は23,889ヵ所となっています。

SS総数とセルフ化率の推移
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(出所)経済産業省等資料を基に作成



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