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南アフリカ=EIAが国別レポートを更新、シェールガス開発に活路

米エネルギー情報局(EIA)は4月末、南アフリカ共和国の国別レポートを更新し、その内容を発表した。

 それによると、2015年1月現在の原油の確認埋蔵量は1,500万バレルで、化石燃料を石炭に依存する構造に変化がないとした。14年の石油類の生産量は日量約16万バレルに留まる。このうち、原油・コンデンセートの生産量は同5,000バレルにも満たない。
 また、2014年の石油の国内消費量は、日量65万5,000バレル。国内の4製油所の合計精製能力は日量50万3,000バレルで、アフリカ大陸ではエジプトに次ぐ。14年の原油輸入量は日量42万5,000バレルで、石油製品の輸入量は同12万バレルだ。
 一方、2013年の天然ガスの生産量は410億立方フィートで、消費量は1,730億立方フィート。不足分をモザンビークから輸入している。シェールガスの可採埋蔵量は390兆立方フィートとされ、世界第8位と評価されている。
 南アフリカ経済は、アパルトヘイト(人種隔離)政策が終焉を告げた1994年以来、急速に拡大した。現在はアフリカ大陸で有数の経済大国へと変貌を遂げている。国内総生産(GDP)でアフリカ第2位の規模となった。また、英BPの2014年「世界エネルギー統計」によると、アフリカ全体のエネルギー消費のうち、約3割を南アフリカが占めるという。急速な経済成長を遂げたものの、アパルトヘイト時代から続く貧困問題は解決されていないのが実情だ。
 一方、EIA調査によると、南アフリカには有望なシェールガス埋蔵層があるとされる。同国政府も石炭の代替燃料としてシェールガスに注目する。ただ、政府の規制が不明確であることや、環境に与える影響の不透明感から、開発事業は遅々として進んでいない。昨年10月、南アフリカ石油開発公社(PASA)がシェールガス開発に向けた取り組みに着手したばかりという。
 BP統計によると、2013年、南アフリカ国内におけるエネルギー消費の7割強を石炭が占めた。石油は22%、天然ガスと原子力が各3%ずつで、再生可能エネルギーは1%以下の低水準にある。

2015.05.14