HOME > お知らせ > 米国事情=トウモロコシ由来のエタノール生産で単収率の向上が続く

お知らせ

米国事情=トウモロコシ由来のエタノール生産で単収率の向上が続く

2015.05.22

米エネルギー情報局(EIA)は5月半ば、2014年の米国におけるバイオエタノール(以下、エタノール)の生産量が過去最高となる5,400万キロリットル(143億ガロン)を記録したと発表した。また、増産率が原料の供給増加分を上回っていることから、生産効率が向上していると分析した。

トウモロコシの生産で、単収(イールド)率が1977年のままであると仮定すれば、2014年には3億4,300万ブッシェルのトウモロコシが必要になったという。この数字は、作付面積に換算すると、220エーカー分に相当する。そのうえで、EIAは単収率のさらなる改善につなげるためには、糖化率の向上、温度管理を最適化して発酵効率の向上などを図ることが必要との見方を示した。ちなみに、2014年の米国内における自動車用ガソリン供給でエタノールが占めた比率は9.8%に達したそうだ。

エタノールの一大生産国は米国とブラジルだ。2カ国を合わせた生産量は全世界の9割強を占める。2013年の米国におけるエタノールの生産量は約5,000万キロリットルだった。1年で400万キロリットル増加した計算となる。燃料エタノールの主な輸出先は、カナダ、フィリピンだ。

ところで、米国が植物原料のエタノール生産を本格的に増加させるようになったのは、2005年くらいとされる。ジョージ・ブッシュ(ジュニア)米政権が、ガソリン代替燃料のエタノール利用を推奨したこともあり、07年には農地価格の上昇が顕著となる現象が表れた。当時は原油価格が高水準にあり、農家を保護するという名目で、エタノールを利用するバイオエネルギー政策を強力に推進した。

代替燃料の需要が高まると、米農家はトウモロコシの生産に力点を置くようになる。農家は本来、需給見通しなどを総合的に判断して、その年の作付け状況を決める。07年は、そうした判断材料が殆ど無視され、どの農家も大豆からトウモロコシに転作を図った。結果として、06年のエタノール生産量は前年比25%増の1,890万キロリットル。08年末には約3,800万キロリットルまで倍増する勢いで、農業関連企業や石油会社が積極的な投資に走るきっかけとなった。