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お知らせ

経産省=電力先物市場の枠組みが決定、24時間と日中の電力が取引対象に

2015.07.07

 経済産業省が3月から協議を進めてきた「電力先物市場」の上場について、その枠組みがほぼ決まり、6日に報告書がまとめられた。上場される時期は、2016年4月の小売全面自由化後に「可及的速やかに上場すべき」と明記されているものの、関係者によると、上場時期は現時点で未定。協議の中では、来年4月以降直ぐにでも上場すべきとの意見があった一方、慎重に行うべきとの意見もあったとされる。ただし、電力を扱う事業者にとってヘッジニーズに対応した電力の先物市場は重要と位置づけられ、電力先物市場に期待する声は大きいようだ。

 対象となる電力は、ベースロード(24時間)と日中ロード(8時~18時)となるもので、ピークロードの上場は今回見送られた。日中ロード(8時~18時)が上場される要因として、日本卸電力取引(JEPX)の先渡市場の昼間型の時間帯が8時~18時に設定されており、使い勝手の良さなどが背景にあるようだ。一方、ピークロードの上場が見送られたのは、夏季や冬季でピーク時間帯にズレが生じることをはじめ、地域、高圧・特別高圧と低圧でもピーク時間が異なるため、ピークロードを設定することが困難なことがある。したがって、ピークロードについて、当初は店頭取引(OTC)の枠組みを利用して参加者のニーズを集約させながら、標準的な時間帯の設定を行っていくとしている。

 取引期間は、当月から15ヵ月先までが対象になる。これは、毎年1月に需給計画を立てる際に、1月から翌年3月までの15ヵ月先までを見越したニーズが想定されること、更に12月から2月にかけて翌年度の電力調達等に対する官公庁の入札があるため、ヘッジニーズが高いとみられることなどがある。なお、発電プロジェクトなどで15ヵ月よりも長期の価格指標に対するニーズもあるため、今後、長期を対象にした店頭取引やそのクリアリングサービスの創設についても、検討されるもよう。

 また、先物市場では東西などのエリア分けは行わず、市場分断の影響を受けないシステムプライスが対象となる。単一商品にすることで、取引量の拡大を図ることなどが要因。ただし、将来的にはシステムプライスとエリアプライスの値差がヘッジできるような先物取引を検討していくとしている。

 決済は、現物受渡ではなく差金決済が採用される。送電制約などで受渡の不履行が生じるリスクがあることや、金融機関などの機関投資家が参加しやすい点などが考慮されたもよう。決済価格は、JEPXの翌日受渡におけるシステムプライスの月間平均が用いられるようだ。

 マネーゲーム防止策として、上場認可に際し、電力の安定供給や適性価格の形成に悪影響が及ばないように経産省が適切に判断する。上場後も、建玉制限やサーキットブレーカーなどの仕組みを導入し、現物取引の監視と連携していく。

 報告書で具体的な明記はないものの、上昇する取引所は東京商品取引所になるようだ。また、先物市場の上場後も、JEPXの先渡市場は当面そのままの形で維持される。