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中国=無告の民にあらず―人民の反発で化学プラント新設計画が頓挫

2015.08.14

エネルギー開発プロジェクトや、石油関連施設の事故などをめぐり、中国では最近、人民が示威運動(デモンストレーション)を積極的に展開する動きが目に付く。これによって、化学プラントの新設計画が頓挫するケースが出ている。

 

中国政府が人権問題で人民を厳しく取り締まるケースはよく耳にする。ところが、エネルギー開発プロジェクトなどで、安全性や環境重視を最優先する人民らの主張が通ることもあるようだ。

今年6月末、上海市南部の金山区に化学プラント工場が新設されるという未確認情報が飛び交い、これに反発する人民らが抗議行動に打って出た。政府はそうした(建設)事実はないと否定するにもかかわらず、人民たちは納得せず、抗議行動がより先鋭化している。とりわけ、化学プラントに対する住民らの拒否アレルギーは強いようで、これまで福建省の厦門、浙江省の寧波、広東州の茂名で計画されていた新設計画が、次々と白紙撤回に追い込まれた。6月30日付のサイト『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』が伝えた。

8月3日には金山区近くで、ディーゼルを2万9,000トン積載したタンカーから火災が発生した。この事故で1人が死亡(発生当時)。4月初旬には、福建省にあるパラキシレンプラントで爆発事故が発生。8月12日には、天津市にある化学品置き場で大規模な爆発事故が発生し、多くの死傷者が出た。ソーシャル・メディアの広がりで、事故の様子が瞬時に伝播するようになり、当局による事故事実の隠ぺい工作を困難にしている。

一方、山東省・青島市の海事裁判所は7月下旬、環境保護団体「中国生物多様性保全と緑の開発財団」が、2011年に渤海で発生した原油流出事故を起こした米コノコフィリップスと中国海洋石油(CNOOC)に対し、損害に対する責任を求める訴訟を提起(損害補償は請求せず)した。

7月27日付のサイト『チャイナ・デイリー』によると、コノコとCNOOCは2012年1月、中国政府と1億6,000万ドルの補償金を支払うことで和解したものの、14年12月には別の複数企業の代表団がこの2社に対し、新たに漁業補償を求めているという。訴訟ビジネスが今後、一大産業になるとの指摘も出ているほどだ。