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[電事連]発受電確報6月=火力発電量は減少も石油が増加、LNG火力の停止で

電気事業連合会が発表した2015年6月の発受電電力量実績(確報)によると、発受電電力量は前年比3.1%減の679億8,920万4,000kWhに留まった。気温が低めに推移し、冷房需要が伸びなかったことが要因。このうち、火力発電量は前年比7.9%減の463億6,658万6,000kWhとなり、発受電電力量全体に対する比率は68.2%となった。前年の火力発電比率は71.7%だった。発受電電力量そののもが減少したなかで、水力発電比率が上昇したことが要因。出水率は前年から2.5ポイント上昇し、水力発電量は前年比1.7%増に達した。ただし、こうした状況の中で石油火力のみ発電量が前年を上回った。

 

ピーク電源に位置付けられている石油火力による発電量は53億6,301万8,000kWhと、火力発電量に占める比率は11.6%となった。前年の10.5%から1.1ポイント上回った一方、前月の12.3%を0.7ポイント下回った。発受電電力量が減少したなかで石油火力の発電量が増えたのは、関西電力の姫路第二LNG火力発電所の新1号機~新6号機(定格出力各48万6,500kW)の停止が要因。同機は、蒸気タービンに発生する恐れのある不具合を未然に防ぐため、6月11日から対策工事を順次実施し、代替えとして石油火力の稼働を増やした。関電では、石油火力の燃料として生焚き原油をメインに使用しており、燃料消費量をみても原油のみ前年を上回った。

ミドル電源に位置付けられているLNG火力による発電量は293億4,875万kWhと、火力発電量に占める比率は63.3%となった、前年の64.5%から1.2ポイント、前月の64.8%から1.5ポイントそれぞれ下回った。火力発電量の減少に加え、前述のように関電の姫路第二LNG火力の停止が響いた。なお、7月後半から順次運転を再開しており、8月10日までに新5号機を除く5基が通常運転に復帰している。

ベース電源に位置付けられている石炭火力による発電量は116億5,347万kWhと、火力発電量に占める比率は25.1%となった。前年の25.0%からほほ横ばい、前月の22.9%から2.2ポイント上回った。前月からの増加は、6月に入り定期検査に入っていた設備が再開し始めたことが要因。

 

発電効率をみるうえで、指標となるkWhあたりの燃料消費原単位は、石炭が343.0トン、LNGが141.8トン、石油が222.1kl。石炭のみ前年から発電効率が上昇した一方、LNGと石油は悪化した。たとえば、石炭は前年が347.4トンだったことから、1kWh発電するのに必要なLNG消費量は前年比で4.4トン減少し、燃費が向上したことになる。

他方、1トンあるいは1klの燃料で発電した電力量を示す発電原単位は、石炭が2,915kWh、LNGが7,050kWh、石油が4,503kWhとなった。発電量が増えたのは、石炭のみでLNGと石油は減少した。たとえば、LNGは前年が7,170kWhだったことから、LNG1トンで発電できる電力量は前年比で120kWh減少しており、燃費が悪化したことになる。

2015.08.24