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米国=環境保護局がCPPで最終案、CO2削減量を30年までに32%減へ

米環境保護局(EPA)はこのほど、化石燃料を使用する発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量削減を目指すクリーン・パワー・プラン(CPP)に関連し、その最終案を公表した。一方、米エネルギー情報局(EIA)は、1900年以降の米国におけるエネルギー消費量の8割が化石燃料だったとする報告書を公表した。

 

EPAは8月初旬、CO2排出量を2030年までに05年比で32%減にする目標値を提示した。これは、昨年に公表した目標値に9%上乗せした数字だ。その前段階として、EPAはCO2排出量を全体計画で2020年までに17%減、25年までに26~28%減(いずれも05年比)とし、この目標値に合わせ、今回の数字をはじき出している。

一方、EIAは7月初旬、米国における石油・天然ガス・石炭が1900年以降、米エネルギー消費量全体の少なくても8割を占めてきたとの報告書を発表した。近年、原油・天然ガスの増産によって、それまでエネルギー源比率の大きな部分を占めてきた石炭が後退している。とは言え、これは化石燃料のなかでのシフトに過ぎず、これからも化石燃料が大きなウエートを占める構造に際立った変化はないと分析した。

もともと、建国直後の米国では、薪とともに鯨油がエネルギー源として重宝された。これが、20世紀半ばには石炭から石油へ、そして天然ガスの重要性が増していく。他方、発電向けに原子力の比重も増えた。

1970年代に起きた二度の「オイル・ショック」を経て、石油・天然ガスの消費量は低迷していたものの、最近は天然ガスの消費量が増加を続けている(石油消費は減少)。1980年代後半には、再生可能エネルギーが注目され始め、2000年代半ばに大きく躍進。2014年には過去最高となる約10%のシェアを占めるまでになった。

こうした点を踏まえてか、EPAの最終案では、2030年までのCO2排出量の削減率を32%とする一方、再生可能エネルギーが占める発電比率を28%に設定した。

2015.08.25