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ロシア事情=エネルギー権益を放出へ―「中国頼み」の構図が鮮明

2015.09.17

エネルギー分野で、ロシアと中国との関係強化が鮮明となっている。最近は、中国企業によるロシアにおけるエネルギー・プロジェクトの権益確保に関するニュースが目立つ。ウクライナ危機を契機に、欧米諸国による経済制裁の発動、原油安、自国通貨ルーブルの下落で苦境に陥るロシア経済。頼みの綱は中国だが、その中国でも経済成長に翳りが出ており、中露接近の今後に注目が集まる。

 

ロシアのノバテクは9月3日、中国の海外投資ファンド「シルク・ロード・ファンド」(SRF)とロシアの液化天然ガス(LNG)プロジェクト「ヤマルLNG」の株式9.9%を取得する方向で合意したと発表した。買収承認まで一定期間の時間を要するが、仮に取得した場合、株式保有比率は、ノバテク50.1%、仏トタル20%、中国石油天然ガス集団(CNPC)20%、SRF9.9%となる見通しだ。

ノバテクによると、ヤマルLNGプロジェクトは、ロシアの南タンベイスコーエ田から産出される天然ガスを利用し、LNGプラントを建設(生産能力1,650万トン/年)し、ガスを供給する計画だ。他方、SRFは2014年に北京に設立された海外投資ファンドで、設立資金が400億ドルとされる。

その他、国営の中国石油化工(SINOPEC)がこのほど、ロシアの石油化学大手であるシブールの一部株式を保有することで合意したという。9月3日付の『ロイター通信』などが伝えた。12月1日までに買収手続きを完了するとされている。

また、ロシア国営のロスネフチはこのほど、ロシアのユルブチェノ・トホムスコエなど2つの石油・天然ガス田で、SINOPECと共同開発を行うことで基本合意したと発表した。開発リスクを分散し、投資資金の拡充を図るのが狙いとしている。最終投資計画を作成したうえで、最終合意を目指すという。

こうした状況下、ロシアは9月3日から3日間の日程で、極東のウラジオストクで「東方経済フォーラム」を開催。シベリア・極東地域の発展を優先課題として掲げるロシアが初めて開催したものだ。ウラジミール・プーチン大統領も出席し、日本をはじめ中国、韓国、北朝鮮からの参加者たちを前に、シベリアや極東地域への投資を呼びかけた。ただ、終わってみれば、100社を超える中国企業の存在感が際立ち、ロシアの中国頼みの構図を国内外に印象付ける結果となってしまった感は否めないようだ。