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東南アジア=「水力発電」の能力拡大へ、メコン川流域で開発加速

2015.11.26

米エネルギー情報局(EIA)は今秋、東南アジア諸国が水力発電の能力拡大を図っているとし、メコン川が重点的な開発流域になるとのレポートを公表した。

 中国は、三峡ダム(湖北省)に世界最大の水力発電プラント(総出力2,250万キロワット=kW)を建設している。東南アジア諸国は現在、水力発電の能力拡大に向け、中国を凌ぐ勢いで開発事業に取り組んでいる。EIAによると、2012年における東南アジア諸国(中国を除く)の発電能力は39ギガワット(GW)だったが、2020年までに61GW分に相当する水力発電プラントの建設を計画する。注目されるのが、中国からミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを流域とするメコン川で、水力による発電能力は170~250GWと見積もられる。

 東南アジア諸国のうち、ベトナム、インドネシア、ブータン、ラオスの4カ国が、水力発電の能力拡大に重要な役割を果たすとしている。ベトナムは2017年までに6.2GWに相当する水力の発電能力を増強し、2030年までに4GWまで増やす計画だ。こうした目標値を達成するため、メコン・デルタに属さないトランソン周辺で、発電能力360メガワット(MW)の開発事業を推進する。

 インドネシアでは、2021年までに水力による発電能力を5.7GWに増強する計画だ。アッパー・チソカン揚水発電事業(能力は1,040MW)があり、これは中国以外のプロジェクトで最大規模となる。また、山岳国であるブータンでは、10GWの水力発電計画を推進する。インドが資金面でプロジェクトを支援する予定。ブータンの河川は短く、落差があるため、水力発電に向くそうだ。他方、ラオスでは約2.5GWの水力発電事業を進めるともに、2020年までに9GW以上に発電能力を高める見通しだ。

 一方、水力発電事業を強力に推し進めることで、水質汚染や生態系破壊、住民への強制移住につながるといった懸念があるのも事実だ。「事業計画を10年先送りして、十分な環境調査を実施することが先決」と主張する環境保護団体もあるようだ。