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中国=復星国際がイスラエル沖の天然ガス田買収で食指を動かす

中国のコングロマリット(複合企業)である復星国際有限公司が、イスラエル沖の天然ガス田買収に関心を示しているとの情報が伝わった。

 

12月1日付のサイト『ナショナル・ガス・ヨーロッパ』は、イスラエルの日刊経済紙『カルカリスト』の報道を引用する形で、復星国際がイスラエルのデレク・グループが保有する東地中海の小規模な2つの天然ガス田(カリッシュとタニン)の買収に食指を動かしていると報じた。総埋蔵量は800億立方メートルとされ、デレクは評価額を1億4,500万ドル相当とした。これに対し、復星国際は買収に際し、約2億5,000万ドルを提示しているという。

 

これら2ガス田の買収に関連して、香港を拠点とするコングロマリットであるハチソン・ワンポアや、イタリアのエネルギー大手であるエディソンも名乗りを上げているそうだ。

 

ところで、イスラエル政府は今夏、地中海沖合のリバイアサン天然ガス田の開発に関連し、デレクと米ノーブル・エナジーに独占開発を認可することを決めた。その一方で、この2社を認可する代わりに、タマル天然ガス田などの売却を要求した。当時、タマル天然ガス田では、デレクが保有する全権益(45.32%)を売却、ノーブルが36%から25%に保有比率を減らすことが予定されると報じられた。

 

リバイアサン天然ガス田は2010年に発見された。地中海沿岸に位置する都市ハイファから47キロメートル離れた、海底1,645メートルに位置する。最初の調査では、天然ガス埋蔵量が17兆立方フィートと推定された。ところが、最新調査では、ガス埋蔵量が21兆9,300億立方フィートとなり、前回調査の18兆9,100億立方フィートから約16%増加したと、米コンサルティング会社のネザーランド・セウォール&アソシエーツ(NSAI)が発表済みだ。他方、タマル天然ガス田は2009年にイスラエル沖合で発見された。天然ガス埋蔵量は10兆立方フィートで、イスラエルの国内消費の数10年分に相当するとされる。

 

今回、小規模ながら、カリッシュとタニンの2ガス田の買収に、中国資本が参入を表明したことで、地中海沖合でのエネルギー開発をめぐり、先行する米国勢との競合が激化することが予想される。どの企業が買収するか、エネルギー関係者らは、その動向を注視している。

2015.12.10