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電力:5月4日~8日:前半はGW入りで軟調、後半は火力の不具合などで東が上昇

 5月4日~8日受渡の電力スポット価格は、大型連休入りで総じて軟調な展開となった。産業用需要の減少を背景に、スポットニーズそのものが停滞し、価格も下押し圧力が強まった。

 前半の4日から6日は大型連休中ということもあり、東西ともに割安な価格水準で推移した。東日本は10円台、西日本は10円割れの価格が中心となり、特に西日本は7円台や8円台のコマが多くを占めた。気温が高めで推移する見通しとなったことに加え、日照にも恵まれる天気予報となったことが要因。余剰電力の増加分をスポット向けの売りで対応する動きが進展し、価格を圧迫する展開となった。

 一方、大型連休明けの8日受渡では東日本が上げ幅を拡大した。背景には、東北電力・能代石炭火力発電所1号機(定格出力60万kW)のボイラーで不具合が発生し、3日に運転を停止したことが要因。定検火力が増え調整力に乏しくなっているなか、ベース電源の石炭火力が停止した影響は特に夜間価格に如実に表れ、8日受渡の東日本の夜間は7日比で1.50円高と上げ幅を拡大した。7日時点で再開の見込みは立っていない。一方、西日本の8日受渡価格は7日比で下落しており、昼間価格の下げ幅が大きかったことによる。これは、8日の天気が晴れ間が広がる予報となったことで太陽光発電の供給力が増加する見通しとなり、昼間の余剰電力増加を見越して売り物が増加、価格下落要因となった。

 5月11日~15日受渡は、引き続き上値の重い展開が続きそう。高めの気温が続く見通しとなっているため需要そのものは伸び悩むとみられ、スポット価格も上値は抑えられるとみられる。ただし、新たな計画外停止が発生した場合、スポット市場への売り物減少を招き、価格が上振れする可能性もある。

2015.05.11