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海外バイオ燃料=米国の木質ペレットの輸出増―英バイオマス発電増で

米エネルギー情報局(EIA)によると、米国の木質ペレット(おが屑などを原料とする圧縮成型した小粒の固形燃料)の輸出量が2013年の290万トンから14年には400万トンに増加した。全輸出分のうち、4分の3を英国向けが占めた。英国が木質ペレットを輸入する背景には、欧州連合(EU)の再生可能エネルギー利用拡大による温室効果ガス(GHG)排出量の削減政策がある。英国はとりわけ、バイオマス発電を重視する方針を示しているという。なお、木質ペレットの国別輸出量でみると、米国が2012年にカナダを抜いて世界第1位となった。

 一方、英国のマンチェスター大学やフィンランド南西部にあるトゥルク大学の共同研究グループが、再生可能プロパン合成の新技術を確立したことがこのほど、判明した。これまで、脂肪酸合成に基づいた、遺伝子組み替え大腸菌を用いて開発してきたが、商業化につながらなかった。そのため、今回は、改良型の酵素を使ってブタノールの生成を抑制し、プロパンの生産性向上に成功したという。

 また、スウェーデン南部のスコーネ県にあるルンド大学の研究者がこのほど、植物油由来のバイオディーゼルを効率よく製造する技術を開発した。遊離脂肪酸からのバイオディーゼル合成速度を高めることに成功したという。

 インド科学・工業研究評議会(CSIR)の石油研究部門では、この部署に所属する研究者たちが、建設コストや物流面で効率性が上がるとして、セルロース系バイオマス・リファイナリー施設をインド国内の製糖・製紙工場に併設することを提案した。

CSIRによると、サトウキビの残滓を原料として、エタノール、化学品のフルフラール(芳香族アルデヒドの一種)、電力を同時に生み出せるという。原料1キログラムからエタノール366ミリリットル、フルフラール149グラム、電力0.3キロワット時(kWh)をつくり出すことが可能だそうだ。

2015.05.13