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電力:5月18日~22日:天候要因での価格変動が顕著に、北海道は高値43円など大荒れ

5月18日~22日 受渡の電力スポット価格は、前週から底上げされる動きとなった。特に週前半は天候悪化を受け、太陽光発電見合いの売りが減少したため、東西ともに昼間主導 で価格が上昇する展開となった。その後、週後半になると、天候が回復したことで太陽光発電見合いの売りが増加したことから、価格は軟調に推移した。1週間を通じて、天候要因で価格が変動する展開となった。

 

北海道エリアと東北エリアを結ぶ北本連系線で15日から点検作業が実施されたため、運用容量が通常時の60万kWから30万kWに半減した。この影響から、北海道エリアと東北エリア間で大規模な市場分断が発生。北海道エリアの夕刻時間帯に43円台をつけるコマも出るなど、北海道エリアは価格変動が大きくなる展開が続いた。点検作業は29日まで実施される予定。

 

北海道電力の苫東厚真石炭火力2号機(定格出力60万kW)で一部不具合が発生し、21日から運転を停止した。復旧時期は現時点で未定だが、運転再開が6月中旬頃になる可能性もある。同機停止に伴う需給面での問題は発生していないものの、北海道電で最も大型の苫東厚真石炭火力4号機(70万kW)が定検中となっていることもあり、新たな計画外停止が発生した場合、一気に需給が引き締まる可能性もある。

 

5月25日~29日受渡も大きな変動はないとみられる。ただし、26日から27日にかけて全国的に気温が急上昇する可能性があり、西日本では30度 以上の見通しも出ている。冷房需要が強まるなかで、新たな計画外停止が発生した場合、スポット価格が上振れする可能性も否定できない。特に足元では、定検 に入っている火力発電設備が多いため、供給面での調整力に乏しくなっている。気温の急激な変化などで需要変動が大きくなった場合、スポット向けの売り物が 急減するという事態も想定され、価格に影響するリスクは高まる。

2015.05.25