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シェール開発=加企業がヨルダン進出、シェルがエジプトで生産開始へ

世界各地のシェール開発で、さまざまな動きが出ている。カナダの石油企業が、中東ヨルダンに進出を図るほか、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなどが、2016年からエジプトでシェールガスの生産を開始する。

カナダの独立系石油企業であるケスタ・エナジー(アルバータ州)は5月末、ヨルダンのエネルギー・鉱物資源省との間で、シェールオイル鉱区の開 発・評価に関する覚書(MOU)を締結した。進出する鉱区は、首都アンマンから南方に約200キロメートルにあり、広さは388平方キロメートルに及ぶと している。ケスタは今後、試掘サンプルをもとに商業性に対する評価を実施するするとともに、シェールオイルを利用した火力発電プラントの企業化調査 (FS)に乗り出す見通しという。想定費用を24億~41億ドルとしている。

米エネルギー情報局(EIA)によると、2014年1月時点でヨルダンの石油備蓄が100万バレル(原油換算)という。中東地域に位置するヨルダ ンだが、原油や天然ガスなど化石燃料資源に乏しい。国内エネルギー需要を賄うため、原油、石油製品、天然ガスなど9割以上を輸入に依存しているのが実情 だ。エネルギー調達価格が国家予算の4割以上を占めている

一方、エジプト石油公社(EGPC)は5月下旬、ロイヤル・ダッチ・シェルと米独立系石油企業のアパッチが、2016年2月からウエスタン・デ ザート(西部砂漠)のアポロニア鉱区で、シェールガスの生産を開始すると発表した。実現すれば、エジプト初の試みとなる。投資額は3,000 億~4,000億ドルを見込む。両社は、今年5月末から掘削作業、今年後半には施設の関連工事を開始する見通しという。

EGPCとシェル、アパッチは昨年12月半ば、掘削契約を締結した。米国で実施されている手法と同様の水圧破砕工法(フラクチャリング)が採用される見通しだ。

2015.06.05