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白井汽船=初のベトナム進出、日本式の安全管理で新規市場を開拓

「日本の卸売・小売事業者が実践している安全管理のノウハウをベトナムに導入することで、安定的なLPG(液化石油ガス)の供給に貢献したい」――こう意気込みを語るのは、LPG船の貸渡業務などを手掛ける白井汽船(本社:広島県)の関係者だ。同社は今年4月にベトナム北部のハナム省で開設したLPG充填所に、日本で実践される安全管理方法を採用し、新規市場の開拓に挑む。

この関係者によると、ベトナムでは、日本で当たり前となっているヘルメットの装着、静電気防止用の安全靴の着用、指差し点検などが徹底されていない。そのためか、LPGをボンベに充填したり、消費者へ届けたりする際に、事故につながるケースがあるという。そこで白井汽船は、社外から充填作業に熟知した専門家を招き、現地へ派遣。約1カ月間、現場の作業員に対して講習を実施し、安全意識の必要性を促した。

白井汽船の関係者は「LPGの安定的な供給こそが、顧客を獲得していく上で最も重要」と強調する。日本式の安全管理方法を強みに、同社はスタートまもない6月末時点で、ベトナムで3カ所の工場とLPGの供給契約を結ぶことに成功した。さらに、代理店を通じて小売事業者7社にボンベを配送。9月までには小売事業者の顧客を30社に拡大する計画だ。同社は将来的な目標として、2018年に年間取扱量2,800トンの達成を掲げている。

家庭や工場にボンベ形式で配送されるLPGは、都市ガスのように配管を整備する必要がないため、住宅が散在する郊外で、その効力を発揮する。また、LPGは温室効果ガスの排出が少ない、環境に優しいエネルギーだ。こうした特性を持つLPGは今後、新興国での需要が急増すると期待されている。ベトナムのLPG消費量も2014年の約150万トンから、2020年には200万トンにまで拡大する見通しだ。白井汽船の充填所が現地で高い評価を得られれば、今後、インドネシアやフィリピンなど他の東南アジア諸国にも、“日本式の安全管理”が普及していく可能性があると注目が集まっている。

2015.07.17