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イラン=EUへの天然ガス輸出でスペインのLNG基地利用に関心を示す

天然ガスの輸出に関連して、イランがスペインに関心を示している。このほど、スペインの閣僚ら一行がイランを訪問し、エネルギー関連分野での関係構築を模索。イラン側はスペインの液化天然ガス(LNG)基地の利用を提案したとされている。

 

スペインのホセ・マヌエル・ソリア産業・エネルギー・観光相ら一行は9月初旬、イランのテヘランを訪問し、ザンギャネ石油相らと会談した。『プレスTV』のサイト・ニュース(9月7日付)によると、イラン側から石油・天然ガス施設の状況や開発計画などについて説明。これに対し、スペイン側は、イランとの協力関係の構築に興味を示したという。

エネルギー分野での主要なテーマは「天然ガス」だった。イラン側は、スペインの液化天然ガス(LNG)基地を利用してLNGの積み替え、再ガス化などによって欧州連合(EU)諸国への天然ガス輸出の可能性に言及したそうだ。実現すれば、現在、ロシアがEUに供給している天然ガスの4%に相当する量を確保できるという。ソリア大臣には、スペイン国営のエネルギー大手であるレプソルの幹部らも同行し、当地でエネルギー産業の関係者らと会合した。

イランはこれまで、パースLNG、ペルシャンLNG、イランLNGといったLNGプロジェクトを計画してきたが、核開発問題をめぐる欧米諸国などの経済制裁で事実上、計画の見直しに追い込まれた。現在は、イラン産天然ガスをパイプラインで輸送し、オマーンからLNGで輸出する計画の実現を探っている。

ところで、スペインは2013年、38億立方メートル分のLNGを積み替えた後、中南米、アジア、EU諸国に輸出したという。イランからスペインへの今回の提案が正式決定すれば、欧州にとっては、ロシアからの天然ガスの供給不安を和らげる一定の効果があるとされている。また、経済制裁の解除で世界エネルギー市場への本格復帰を果たそうとするイランにとって、新たな販売先の開拓にもつながるかもしれない。

2015.09.25