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フィリピン=ファースト・ゲンが初のLNG基地の建設企業を選定へ

フィリピンで初めてとなる、液化天然ガス(LNG)輸入基地の建設計画が動き出した。現地からの報道によると、同国最大の天然ガス企業で、財閥ロペスグループのファースト・ゲン・コープ(FGC)がこのほど、LNG基地建設を担う入札候補5社を選定したことが明らかとなった。

 

9月28日付の『ビジネス・ミラー』などによると、FGCは9月末、LNG輸入基地の建設で、入札候補5社を選んだという。具体的な社名は明示していないが、年末までに選定する見通しという。総投資額は10億ドル。FGCは2016年から建設を開始する予定だ。

 

入札候補の社名は明らかになっていないものの、現地では英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが筆頭候補と見られているようだ。同社は2013年6月、フィリピンでLNG基地の建設を検討していると発表した。当時、同社の幹部は「正式に参画すれば、首都マニラの南方に位置するバタンガス製油所近郊の沖合にLNG洋上施設を建設するとの見通し」としていた。

 

シェルは、フィリピンに陸上ターミナルを設置し、全長500キロメートルの海底パイブラインを通して、マランパヤ天然ガス田から産出されるガスのバタンガス製油所への輸送を2002年に開始した。

 

一方、FGCの首脳は今回、LNG基地建設の計画が10億ドルに上るため、単独での開発は困難とし、国内外から広くパートナーを探すとの見解を示している。

 

ところで、基地建設を急ぐ背景には、フィリピン沖のマランパヤ天然ガス田が2020年にも枯渇するとされているためとされる。また、中国経済の減速による影響が東南アジアの国々に波及するなか、フィリピン経済は堅調さを維持している。今後の需要増加が見込まれるなか、フィリピンはエネルギーの安定供給を図るため、天然ガスからLNG輸入にシフトする政策を強化していくと見られている。

2015.10.14