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イラン=スリランカへの原油輸出再開へ、イラクとはガス輸出で契約

イランが周辺国との原油・天然ガスの輸出に関する契約に動いている。スリランカとはこのほど、原油輸出の再開で協議を開始したほか、イラクへの天然ガス輸出で契約を締結するなど、経済制裁の解除後に向けた動きが活発となっているようだ。

 

11月16日付のサイト『ネーション』によると、イラン国営石油会社(NIOC)は、スリランカへの原油輸出の準備に入った。セイロン石油会社(CPC)が所有する、スリランカで唯一のサプガスカンダ製油所(処理能力は日量5万バレル)はもともと、イラン産原油の受入れ仕様であったが、欧米などによるイランへの経済制裁が本格化した2012年6月以降は、オマーン産やサウジアラビア産、アラブ首長国連邦(UAE)産の原油を処理していた。イランへの経済制裁解除が視野に入ってきたことで、イラン産原油の輸入が再開される見通しだ。

 

一方、イランとイラクは11月11日、イラン産天然ガスをイラクに輸出する契約を締結した。2017年に輸出開始で、期間は6年に及ぶ。輸出量は冬期が日量2,000万立方メートル、夏期が同3,500万立方メートルという。契約成立によって、イラクへの天然ガスの総輸出量は、日量4,000万~6,500万立方メートルになる。

 

イランはまた、パキスタン経由で中国向けの天然ガスの輸出を検討している。NIOCは、パキスタンとの間で建設中の天然ガス・パイプライン「ピース・パイプライン」を経由して中国南部にガスを輸出できるとしている。ピース・パイプラインは、イラン領内分の900キロメートルについて、その殆どが完成しているが、パキスタン領内分は未着工という。イランの天然ガス生産量は現在の日量7億立方メートルから19年には同10億立方メートルまで増加すると予測される。11月15日付のサイト『テヘラン・タイムズ』などが報じた。

 

ところで、イランでは、NIOCの子会社である石油工学&開発会社(PEDEC)が、同国の南西部にあるノース・アザデガン油田で生産を開始。原油生産量が近く日量7万5,000バレルになるとした。11月1日付のサイト『ファーズ・ニュース』などが伝えた。

2015.12.08